十王堂

 
十王堂は熊野早駈道の途中、上秋津と三栖地域の境界に当たる六つの道の辻に位置します。

十王堂に祭られているのは「閻魔大王」、「見る目嗅ぐ鼻地蔵尊」、「倶生神地蔵尊」の三体です。閻魔大王は死者を生前の功罪によって裁くことで有名ですが、倶生神はその悪行・善

行を調べて閻魔大王に伝える役目を担っています。

このように、仏教ではひとが死ぬと「地獄」、「餓鬼」、「畜生」、「修羅」、「人間」、「天上」に行く六道の辻で閻魔大王によって「このものは地獄行き」「この者は極楽行き」と言われて行き

先を決められるとされているので、「十王堂でお願いしたらあの時の嘘が許されるかも・・・」なんて邪念が頭をよぎる方もいらっしゃるかとは思いますが、残念なことにそのような御利益

はございませんのでご了承の上、ご参拝ください。

明治の神仏合祀の際には地蔵尊たちが同じ熊野早駈道にある千光寺に持っていかれましたが、明治16(1883)年の夏の干ばつの時に地域の人々が雨乞いのために戻してもらい、

庭で閻魔大王を洗うことによって雨を降らしてもらったとされれているそうです。